こちらのページでは、合唱の練習中についつい使いたくなるけれど、指揮者は使うべきではない「言葉」についてお伝えしていきます。その言葉たちは、使うとその場の雰囲気が悪化するだけでなく、その後の指揮者への信頼感にも大きな影響を及ぼしかねない、非常に重要なものなのです。
指揮者は決して使ってはいけない言葉
合唱の練習をしていると、色んな指示を出すことがあると思います。
曲調に関すること、テンポやリズムに関すること、音程に関すること等々…
1回の練習中に指揮者が話す機会というのは何度も訪れるのですが、
指揮者には極力使うべきでない、というか
使わなくて済むなら使わない方が良い言葉があります。
それは何か?
否定語です。
指揮者は否定語を使うべきでない
否定語といっても抽象的ですからね、ちょっと例を出してみましょう。
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- 音程が悪い
- ピッチが低い
- リズムがそろってない
- 全然感情が伝わってこない
- 前の練習覚えてないの? etc.
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以上はほんの一例ですが、なんとなく雰囲気は伝わったかと思います(笑)
これを言われて気持ちの良い人はいませんよね?
ましてや、一生懸命歌っているのに対してこんなこと言われたら、嫌になりますよね?
でも、前に立つとついつい言ってしまう人がいるのです。
あるいは、言ってしまいそうになる時があるのです。
例えば、
本番まであと10日しかないのに、前回やったところができていない、とか。
指揮者が徹夜して練習を考えてきたのに、合唱団にやる気が感じられない、とか。
1~2か月同じことやってるのに、一向に上手くならない、とか。
どんな人でも感情の浮き沈みがあります。
そして、そういう時に、上記のようなことが起きると、ついカッとなってしまったり、
なんてことがあるのです。
(まぁついカッとなった、なんてことは心理学的に嘘という説もありますが・笑)
で、とにかくですね、
こうした否定の言葉ってのは、指揮者は極力使うべきではないのです。
もし使うとしたら、場の空気が相当ノッテいる時に、
はっぱかけるくらいで使うのが良いでしょう^^
否定語を使うとどうなるか?
ここで書いたような否定語を練習で使い続けた人の話をしましょう。
その人は、僕の先輩だったのですが、
ちょいと調子に乗りやすい所がありました。
指揮者としての腕や、楽譜の分析能力もまだまだ未熟だったんですが、
指揮者という立場で若干気が大きくなっていたんですね。
「ソプラノ、違う!昨日やっただろ!」とか、
「ピッチ悪いですね~、もう少し明るくできませんか?」とか、
こういう言葉が結構頻繁に出てきていたんですね。
で、どうなったか。
当然、合唱団の反応は悪くなりました。
その人の練習はつまらないんですね。
その人の音楽観が云々というよりも、
練習の進め方が気に食わない、という人が増えて
練習効率は相当悪いものになっていました。
もちろん、全員が全員そう感じていたわけではないんですが、
否定的な言葉遣いに嫌気がさしていた人も少なからずいて、
「あいつ偉そうなんだよな…」なんて言っている人もいました。
否定語を頻発させる練習というのは、こういう人を生んでしまうんですよね。
そうすると、練習の空気も悪くなりますし、
声を合わせる合唱としては、非常に上手く行かなくなってしまう。
否定語ではなく、肯定語を
肯定語、なんて表現は無いんですが(笑)
否定的な表現よりも、前向きで明るい指示を出しましょう!ってことです。
「音悪いよ~」ではなく、
「じゃあ、ちょっと姿勢を正して、澄んだ空気を吸うようにブレスしてみましょう」とか。
「リズムずれてるよ!」じゃなくて、
「もう少し足並みをそろえてみましょう!もーちょっと指揮をみて下さいね♪」とか。
こんな風にすれば、合唱団は喜んでついてきてくれます。
その姿勢は前向きで、ポジティブなので、
練習に対する集中力も変わってきますし、色んな発想が生まれてきます。
「もっとこうしたら面白くなるんじゃないか?よし、やってみよう!」
なんて、独自で工夫して歌心を見せてくれることだってあるのです。
まとめ
否定語はモチベーションを下げるだけでなく、
指揮者への信頼感を著しく低下させるので、極力避けましょう!
といったところですね。
更に一歩踏み込んで、
前向きで、ポジティブ、楽しめる指示出しを常に模索しましょう!
ってな感じで^^
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