前回の、「初心者でも合唱指揮の左手の振り方が分かるように説明します(1)」の続きです。「右手はリズム、左手は表現」の先入観を取っ払ったところで、「じゃあどうやって両手で振るのか?」という話をしていきます。
両手指揮の振り方
前回の記事を読んでいない方はこちらからどうぞ!
ということで、
どうやって両手で振るのか?
どうしたら両方の手を上手く使えるようになるのか?という話です。
両手で振れるようになるための方法
一番早く、手っ取り早いのは、
上手い指揮者の真似をする事です。
先ほどのカルロス・クライバーでも構いません。
とにかく、「この人の指揮の要素を取り入れたいなぁ~」と思ったら、
徹底的に真似をしてみるのです。
このことを、合唱指揮法講座内では”モデリング”と呼んでいます。
モデリングの仕方を簡単に紹介すると、
例えば、前回も紹介したこの動画。
https://www.youtube.com/watch?v=swHp31PVGoY
これは全体で60分近くの長さがありますから、
さすがに、いきなり全部を真似するのは大変だと思います。
(もちろん、大丈夫!って人はガンガンやってもらって構わないのですが^^;)
ですので、60分はきついなぁ…という人は、
この動画の内の「この部分は特にかっこいいな!」って部分を抽出して、
真似してみると良いかと思います。
例えば、2:00~3:00の間を徹底的に真似するとか、
25:00~からひたすら真似してみるとか。
このように時間を決めて、その間を徹底的にコピーするというのは、
区切りも付けやすいためお勧めです。
あともう1点、両手で振れるようになる練習があります。
それは、
左右片手だけで指揮を振る練習方法です。
これはどういう練習方法かというと、
左右の手一本ずつで指揮を完璧に触れるようにし、最後に両手を合わせてみる
という手法なんですね。
具体的に説明すると、
まず、右手だけで曲の頭から終わりまでを振れるようになります。
ただ拍を取るのではなく、実際に合唱団が目の前にいると思って、
片手だけですべての指示を出してみるのです。
当然、左右間反対にいるパートに同時に入り指示を出さなきゃいけないような場合は、
片手だけでは足りないので、そういう場合は頭を使います。
「どうしたら、片手だけでも同時に指示を出せるかな?」ってのを考えるんですね。
実際にちょっと考えてみて下さい^^
混声合唱で言えば、
ソプラノとバスに同時に、それも右手しか使えない状態で指示を出すって感じです。
………
……
…
考えてみましたか?
これに関しては、正解は1つではないので、
思いついただけの正解があると思ってもらってよいのですが、
一つ例を挙げるなら、
入り指示を出す数拍前から、指揮で両パートの意識を寄せ、
そこにアイコンタクトを組み合わせることで、入り指示を出すという方法です。
こうすることで、腕が一本しか使えなくても、
両パートに入り指示を出すことができるのです。
で、右手オンリーの練習が終了したら、今度は左手オンリーで練習してみます。
左手だけの時も、自分が表現したい事は全て表現しきれるように、
腕の動かし方を考えていくのです。
(最初に右手で考えているので、それをトレースできればOKです!)
で、左手でも一通り楽曲全体を振ることができるようになったら、
今度は両手を使って指揮を振ってみましょう。
片手ずつの練習の錬度にもよりますが、
左右それぞれの手の自由度はかなり増すはずです。
なんたって、先ほどは片手で沢山のパートに指示を出していたのが、
両手を使えるようになるわけですから、
相当やりやすくなることはイメージの上でも分かっていただけるかと思います。
このような練習を続けていると、
利き手じゃない方の筋肉も徐々についてきて、
両手指揮の精度がどんどん上がっていくのを実感できます。(体験談)
まとめ
2回に分けて、
- 指揮における左手の使い方
- 両手で指揮を振る練習方法
をお伝えしてきました。
なんとなくイメージは伝わったかと思います。
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指揮を振るうえで大切なのは、
- 形式を守る事ではなく、音楽の世界観を伝える媒介となる事なので、
左右の手に決まった役割を与える必要はない - モデリングや、左右一本ずつ振る練習を通して、
両手指揮の精度は高めることができる。
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以上です!

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