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【質問への回答】合唱曲「My Friends」の指揮の振り方とコツ

ゆあさんより以下の質問をいただいたので、お返事をシェアします。

なお、ゆあさん側のメール設定により、私からのメールがはじかれるようになっています。この記事に気付いたら、必ず感想を送ってください。

合唱曲「My Friends」の指揮のしかたやコツを教えてください。

こちらの質問に答えていきたいと思います。

ちなみに、合唱曲「My Friends」の音源はこちら↓を参考にしました。

(注)手元に楽譜がないため、以下のアドバイスは、上記音源と、ネット上で閲覧できた楽譜の1ページ目の情報を元にしていることを了承ください。

目次

回答の流れ

いただいた質問は「指揮の振り方やコツ」を教えて欲しいというものでしたが、どのように指揮を振るかは、楽曲をどのように解釈し、どのように音楽を作っていくかに左右されます。

ですので、まずはこの「My friends」という楽曲を、私だったらどのような方向性で作っていくのかを考えてみます。

その後、上記の方向性を踏まえて、どのように指揮を振っていくかの話に移ります。

楽曲の印象

ということで、まずは楽曲を聞いて、特に印象に残ったことについて書いていきます。

シンプル故に難しい

楽曲自体が非常にシンプルな構成で、聞き手を飽きさせない曲作りが難しそうだな、というのが第一印象でした。

曲全体を通して、同じようなメロディーが何度も登場し、歌詞も友情をひたすら称賛するような内容が続きます。

楽曲の中には、音符に従って演奏しているだけで勝手にそれっぽく聞こえるものもありますが、この楽曲はその部類ではないと感じます。

ですので、合唱団側から積極的に変化をつけていかないと、単調な印象を持たれてしまうだろうなと思いました。

音楽が重くなりやすい

また、この楽曲は基本的に4/4拍子で構成されていますが、4拍子よりも2拍子で捉えたくなる箇所が多いです。

2拍子で捉えたくなる:

本来であれば「1,2,3,4,1,2,3,4」と4拍子でカウントするところを、「1,と,2,と,1,と,2,と」と2拍を1拍にまとめてカウントしたくなる、ということです。

このこと自体は悪くないのですが、こういう2拍子系の曲は、どうしても合唱団側のテンポが遅くなりがちです。

さらに、この楽曲には2拍3連(8小節3~4拍目みたいなやつ)が登場します。

2拍3連は、上手く演奏できると、楽曲にメリハリがつくおもしろい表現なのですが、慣れないと、これまた合唱団側のリズムが遅れやすくなります。

ただ遅くなるだけ、音楽が重くなるだけなら、まぁまだ良いのですが、最悪ピアノ伴奏とずれて、曲が崩壊する可能性もあるので、指揮者が上手に仲介してあげる必要があります。

他にもいくつもあるのですが、収拾がつかなくなるので、この辺りで止めておきます。

どのように音楽を作るか

では、これらの点を踏まえ、どのように音楽を作っていくかを考えていきます。

  • 楽曲が単調になりやすい
  • 音楽が重くなりやすい

私でしたら、以下のような方針で曲を作っていきます(今考えている段階では)。

各パートの入りの音をハッキリさせる

例えば、8小節2拍目から「ララ ラララ」と始まりますが、この1音目を曖昧にせず、全員の意識を集中させた上で歌うよう指示します。

音量の変化をつける

先の参考音源もそうですが、音量の変化が少ないと、ガンガン音を押し付けるだけの音楽になってしまいます。

ですので、フレーズの押し引きを意識する…で通じるでしょうか?

例えば、8~12小節をひとつのフレーズと捉えたときに、どこが山になり、どこが谷になるのか、あるいは、どこを盛り上げて、どこを引いたら魅力的なフレーズに聞こえるだろうか?を考えていきます。

テンポに対し少し早めに歌わせる

これは指揮者の力量が問われるのですが、音楽が停滞するのを防ぐために、各音符の入りを0.05秒くらい早めます。

もちろん、0.05秒というのは「ほんのちょっと早く」をそれっぽく言っているだけで、実際にその時間分早めるという話ではないのですが(笑)

その「ほんのちょっと早く」の入り指示を、指揮者が行います。

こういう、合唱団側の「少し早めに準備して歌いだす意識」を、上手に統制できると、躍動感のある音楽を作れます。

伸ばす音はビブラート+クレッシェンドの意識

これはクラス合唱には難しいのですが、3拍以上伸ばす音には、ビブラートとほんのちょっとのクレッシェンドををかける意識を持つと、動きのある表現になります。

ビブラートというと、なんだかオペラ歌手のような立派な声?みたいな印象を受けるかもしれませんが、別にオペラ歌手のようなバリバリ聞かせるような感じである必要はないです。

個々人が「こんな感じでいいのかな?」と感じる程度の意識を持つことで、伸ばす音の印象が変わってきます。

また、クレッシェンドについても、ほんのちょっとつけるだけでOKです。「1秒の前の自分よりも、1mmくらい大きい音」とかそんなイメージです。

ただこれらは、指揮者が完成図をイメージできていないと、上手く指示出しできないので、やはりクラス合唱レベルだと難しいかもしれません。

では、これらの方向性を、どのように指揮に活かしていくかを考えていきます。

どのように指揮を振るか

指揮の基本については、Topページから方々にリンクを書いているので、そちらを参考にして下さい。

正直、まず↓から辿れる記事内容を実践してもらえるだけで、クラス合唱レベルでしたらライバルをごぼう抜きにできます。

以下では、この曲に特化した、クラス合唱でも取り入れられそうな内容をお話しします(それでも難しいです)。

基本の姿勢

何度もお伝えしましたが、この楽曲はゆったり/どっしりした曲調なので、指揮の構えもそれに合わせた方がよいです。

具体的には、腕を構えたときの腋の開き具合を、広めにとりましょう。

指揮者の体格にもよりますが、80~90度くらいは開いていいかなと思います。

参考音源を聞きながら何度か試してみましたが、私の場合は85度前後の開き具合で、胸の空間を広くとるような構え方が降りやすいと感じました。

しかし、姿勢を整えずにただ脇を開くだけだと、珍妙な姿になってしまいます。

まずはキチッと立ち、腕を背中で吊り、適度に胸を張った状態を作ってください。

そして、自然に見える形で腋の角度を広めにとれると、曲調に合った構えができます。

基本の拍子

すごくピンポイントな話ですが、1~8小節までは、私でしたら4拍子で指揮を振ります。そしてそのあと、9小節以降は2拍子(2分1拍)で指揮を振ります。

楽譜が手元にないので、そのあと何拍子系で振るかは断言できないのですが、基本2拍子で振り、少しリズムを刻みたいところがあれば4拍子で振るかもしれません。

基本の振り方

これ、言葉で伝わらない自信があるのですが…

この楽曲は、基本的に2拍子の流れるようなリズムが多いので、そういう部分は打点をぼかした指揮を振ります。

例えば、2拍子で振ると、9小節の1拍目、3拍目、10小節の1拍目、3拍目、と拍を刻むタイミングがあるのですが、こういうところは打点をぼかし、スイング(加減速)によって拍を表現します。

で、13小節の1拍目は、新しくフレーズに入り直すので、合唱団の入りが揃うように打点を見せます。

まとめ

合唱曲「My Friends」の指揮のしかたやコツを教えてください。

こちらの質問に対して、文字で伝えきれそうな部分についてお話ししてみました。

記事中にも書きましたが、どう指揮を振るかは、どう音楽を作っていくかに左右されます。

そして、どう音楽を作っていくかは、どう楽曲や歌詞を解釈したかに左右されます。

なので、今回、こんな長々とした記事になってしまいました。

いかがでしたでしょうか?

覚えておいて欲しいこと

この記事を読まれた他の方にも覚えておいて欲しいのですが、質問をする際はぜひ「具体的に」していただきたいです。

今回の質問もそうなのですが、質問に具体性がないため、回答もアバウトにならざるを得ない、という感じでした。

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