こちらでは、指揮者にとって絶対音感は必要なのか、という事についてお伝えしていきます。音を聞いただけで、その音名を当てられたり、初見の曲でもスラスラと音が取れたりと、非常に便利な絶対音感ですが、それは指揮者にとって本当に必要なのか? 個人的な経験を交えてお話しします。
指揮者にとって絶対音感は必要か?
まず、あなたにお伝えしたい事があります。
それは、僕は絶対音感を持っていない、という事です。
トップページにも書いた通り、音感の欠片もありません。
友人に「これ何の音だ?」と「ソ」の音を弾かれて、
真面目に「レ」答えるくらいには音感がありません^^;
そんな僕が自信を持って言います。
指揮者にとって、絶対音感は必要不可欠なものではありません。
そりゃあ、あったら便利かもしれませんが、
無くてはならない!というものではない、というのが僕の見解です。
その理由をお伝えしていきます。
絶対音感は時に妨げになることも
僕の知り合いの指揮者で、
絶対音感を持っている人がいました。
彼は、非常に優れて耳を持っていて、
初めて聞いた曲でも、その場で耳コピをして、ピアノで再現できる
という、非常にうらやましい能力を持っていました。
アンサンブル(全体練習)の時も、
「○○のパート、そこの音が半音ずれてます」
なんて、的確な指示を飛ばしていたりしました。
が、彼の練習は非常につまらないものだったのです。
さらに言えば、彼の作る音楽は非常に退屈なものでした。
それはなぜか。
彼は、音の高さやピッチにこだわり過ぎたのです。
音がちょっとでもずれていると、気になってしまう。
「○○パート、そこ音違う、やり直し!」
「まだ違う、やり直し!」
「んー、まだ違いますねぇ・・・」
こんなやり取りが、練習中に何度も繰り返されました。
指摘されたパートは、
最初2,3回こそ、必死に音を正そうとしていましたが、
ダメ出しばかりされるうちに、やる気をなくしていくのです。
この練習の原因は、絶対音感だけにあるわけではありません。
が、絶対音感を持つ人が、
音の高さにこだわり過ぎて、
このような練習を繰り広げやすい傾向にあることは、
紛れもない一つの事実なのです。
音感が無くても大丈夫
冒頭の結論に戻りますが、
合唱指揮者をやる上で、絶対音感は不可欠ではありません。
それよりも、自分の頭の中に、
「自分の理想とする音楽(世界観)を持つこと」
「その音楽(世界観)に高い臨場感を持つこと」
これが重要です。
この2つを、しっかりと押さえることで、
合唱団の声を聴いたときに、的確な指示を下せるようになります。
身につけるなら、相対音感を
ある程度の年齢を超えてしまうと、
絶対音感を身につけることは困難である、と言われています。
そこで、どうしても音感を身につけたい!という場合には、
「相対音感」を身につけることをお勧めします。
相対音感とは、
基準となる音を決めたら、そこから相対的に音を捕れるようにする能力です。
例えば、
ドの音を聞いたときに、そこから5度上のその音が分かる、とか
こんな感じの能力です。
基準となる音さえあれば、
その音から相対的に「ドレミファソラシド」が分かるのです。
この辺の話は、
音名と音高の違いを理解していない人には、
分かりにくかったかもしれませんね。。。
(今回は、絶対音感に関する記事なので、その内容は別記事で。)
まとめ
今回の内容をざっくりとまとめると、こんな感じです。
- 絶対音感は、あったら便利ですが、なくても大丈夫です
- それよりも、「理想の音楽(世界観)もち、そこに高い臨場感を持つ」ことが大事です
- もし音感を身につけたいのであれば、相対音感をお勧めします
もちろん、耳を鍛えるためのトレーニングは行ってほしいのですが^^
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