こちらでは、中学校や高校の合唱コンクールや、合唱祭で指揮を振るんだけど、コンクールまで時間がない! 短い時間で何とかできないか!という人に、振り方のコツ、楽譜分析のコツ、練習のコツの3つに分けて、合唱指揮のコツをお伝えします。今回は、指揮を上手く振るコツです!
合唱コンクールで使える指揮のコツ
- 振り方のコツ ←イマココ
- 楽譜分析のコツ
- 練習のコツ
ということで、指揮の振り方のコツについて、お伝えしていきます^^
ちなみに、ここで紹介しているテクニックは、
自分の経験と、多くの先達指揮者のワザを盗んで合成したものの中から、
即効性のあるものばかりを選びました。
割と簡単に実行できるので、
その効果を実感するまでに、そんなに多くの時間はかからないと思います。
が、一点注意してほしい事があります。
それは、
中途半端にやらない、やるなら徹底的にやる
という事です。
例えば、この記事を1回さらーっと読んで、
全部を実行できるかというと、なかなかそうはいきません。
多分、勘の良い人や経験のある人でも、
2~3回は読まないと、正確な理解には至らないと思います。
もちろん、そんな10回20回読みなさい!なんてことを言うつもりもないのですが^^;
やるならしっかりと取り組んでみてください。
きっと、クラスや先生の見る目は変わります!
(結構自信ありますよ^^)
ってことで、
これから、指揮の振り方に関して6つのコツをお伝えします。
まずは、ガーッとしたまで読んでみて、できそうな項目をもう一度丁寧に読んでみてください。
指揮の振り方のコツ
それでは、6つのコツをご紹介します。
1~6は、一応順番になっていて、
練習、本番で実行する際は、1から順々にやっていってもらえれば、
良いんじゃないかな~と思います。
- しっかりと立つ
- 指揮を振り始める前に、全員とアイコンタクト
- 最初の1音に全神経を集中
- 指揮は小さく振る
- ここぞ!という場面の、指揮を考える
- 切った後も音楽は続いている
では、1つずつ説明していきます。
1.しっかりと立つ
まずは、きちんと立つことから始まります。
両足をそろえ、ピシッと立ちます。
下半身に適度な力を入れ、
上半身はスッと、適度に力を抜くのがポイントです。
下半身では、お尻や太ももの後ろを、キュッと占めるようにします。
上半身は、特に肩から先をフリーにしておくと、良い感じです。
たまにですが、照れているのか、ふざけているのか、
首がふにゃふにゃ左右動いていたり、
首が前に出て、猫背に見える人がいますが、
それは、合唱団にとっても、お客さんにとっても、
「みっともなく」映ってしまうので、気を付けてくださいね。
2.指揮を振り始める前に、全員とアイコンタクトをとる
アカペラ曲でも、伴奏つきの曲でもそうですが、
振り始める前には、必ず、合唱団1人1人とアイコンタクトをとって下さい。
「皆、準備はいいかい?(キリッ」って感じにです。
そうすることによって、
- 合唱団側のモチベーションが高くなる
- 指揮者と合唱団の息が合いやすくなる
このような、メリットが生じます。
もしかしたら経験あるかもしれませんが、
合唱団1人1人にとって、
指揮者が自分を見てくれるのって、すごく嬉しいことなんですよね。
で、そうすると、
いつも以上に、気持ちを込めて歌ってくれたりします。
あるいは、
指揮に対して、反応がよくなったりするんです。
なにより、指揮者本人が
「自分は1人じゃない、皆と一緒に音楽を作ろう!」
って思えることができます。
こういう風に書くと、なんだか青臭く聞こえてしまうかもしれませんが、
合唱において、一体感ってのは本気で重要です。
3.最初の1音に全神経を集中
「最初の1音に全てを掛ける」
こう言い切っても良いくらい、重要な瞬間です。
その重要な瞬間を、より素晴らしいものにするために、
指揮者がチェックすべき事は沢山あります。
例えば、
- 姿勢はどんな感じか?
若干前のめり?大きくどっしりと?豊かな感じ? - 表情はどんな感じか?
柔らかく?厳しく?悲しく?温かく? - 腕はどのように振るか?
素早く?ゆったりと?厳かに?滑らかに?
こんな風にですね、
若干抽象的(イメージの要素が強い)かもしれませんが、
こういう世界観みたいなものを作っておくことは、非常に重要です。
特に、指揮の振り方に関してコメントしておくなら、
鏡を見て、何度も振り方をチェックし、
「どうやったら、皆が本番のプレッシャーに負けないで、気持ちよく声を出してくれるか」
も併せて考えながら、研究を重ねてください。
サラッと書きましたが、相当高度なことを要求しています。
まずは、「皆が緊張しないで声を出せるには、どうしたらいいか」、
「この曲の第一音にふさわしいのは、どんな音色か」みたいな事を考えてみてください^^
4.指揮は小さく振る
さて、曲が始まったら、意識してほしいことがあります。
それは、
「指揮を小さく振る事」です。
「小さく振る」と書くと、
音量を抑えさせるのかな?と誤解されてしまうかもですが、
そうではありません。
「ここぞ!という場面で、『ガツン』と振るために、そうではない場面では、小さく振ってください」
という意味合いです。
で、具体的な指揮の大きさですが、
その人の身長や体格にもよるのですが、
高さは、おへそからみぞおちまで、
横幅は、胴体の幅くらい、です
5.表情豊かに
指揮を振っている最中は、
身体全体を使って、自分の音楽を表現します。
腕はもちろん、表情もです。
(下半身や、頭を動かすのはお勧めしません!)
で、表情ですが、
これでもかってくらい、露骨な表情をするようにしてください。
例えば、
「旅立ちの日に」で、「いま、別れの時~」という場面がありますよね。
僕だったら、あの場面では、
未来に向かって歩を進めるような、固く決心した表情を浮かべます。
と、同時に、
恐らく卒業式などで振るならば、
それまでの、学校での思い出が走馬灯のように駆け巡ってきて、
嬉しさ半面、悲しさ反面、涙を流しながら指揮をすると思います。
指揮者は、常に冷静であるべき、
なんてことが言われたりします。
それはもちろんですが、
合唱団の気持ちを自由にコントロールできるのも、また指揮者だけなのです。
指揮者が熱い気持ちで振れば、合唱団はその気持ちについてきてくれます。
反対に、指揮者が無表情で振れば、合唱団も冷めた気持ちで歌います。
お客さんを感動させる音楽を作るには、
まず演奏者である自分たちが、音楽に感動していないといけません!!
6.切った後も音楽は続いている
そして最後、切りの指示をした後の話です。
音楽というのは、切り指示をして、すぐに終わるものではありません。
余韻が、残っているのです。
ですから、
曲が終わりました → まだ残響が残っている → その余韻を十分に感じる
できれば、合唱団全員と、そしてお客さんにも堪能してもらって、
それから、指揮の腕をそっと下してみてください。
きっと、演奏した音楽の感動が、
何倍にもなって返ってきます。
まとめ
ということで、以下の6つのコツについて、お伝えしました。
- しっかりと立つ
- 指揮を振り始める前に、全員とアイコンタクト
- 最初の1音に全神経を集中
- 指揮は小さく振る
- ここぞ!という場面の、指揮を考える
- 切った後も音楽は続いている
で、繰り返しになりますが、
この6つ全部を、いきなり実行するのは相当難しいですし、
本番だって3つや4つしか実行できないかもしれません。
が、重要なのは、数をこなすことだけではなく、
一つ一つのコツの完成度を、どれだけ高められるかってこともです。
ですから、焦らず、手を抜かず、
一つ一つに本気で取り組んでみてください^^

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