指揮者になりたいという根気
一番大事なのは、これです。
「○○みたいな指揮者になりたい」
「自分の音楽を、合唱団とともに表現したい」
こういう前向きな気持ちが、全ての原動力になります。
前向きな気持ちさえあれば、技術はいくらでもつけることができますし、音楽的なセンスなんてものも、後から習得可能です。
一方で、前向きな気持ちがない人、自分はそこまで執着してないなって人、そういう人にはつらいかもしれません。
指揮に限らずなんでもそうだと思いますが、やっぱり「好きこそものの上手なれ」ってのはあります。
ですので、知識はないけど、経験はないけど、指揮に猛烈に憧れているんだ!、自分の音楽を指揮によって表現したいんだ!という場合は、ぜひその気持ちを胸に突き進んでいってください。
あなたは、必ず指揮者になることができます。
精神論だけではこの記事の意味は皆無ですので、その他、身につけておいた方がよい知識・技術を記していきます。
1.楽譜が読める
その詞を書いた作詞者の意図が分かる。
その詞を受けて、音をつけた作曲者の意図が分かる。
「楽譜が読める」というのは、つまりこういうことです。
作詞者はどんな気持ちでこの詞を書いたんだろう……
「うれしい」という歌詞があるけれど、これはどういう「うれしさ」なんだろう……
こういう考えをひたすらしていくことによって、作詞者の意図をくみ取ります。
このクレッシェンドで、作曲者はなにを表現したかったんだろう……
なぜこの曲のテンポ指示はアンダンテなんだろう、モデラートじゃだめなのかな……
こういう考えをひたすらしていくことによって、作曲者の意図をくみ取ります。
「楽譜を読む」というと、表想記号はなんだとか、ここの和音はなんだとか、そういう話をする人がいます。
しかし、大切なのはそこではありません。
そこから一歩踏み込んで、なぜその技巧を使用したのかを考えなければいけないのです。
作詞者、作曲者の意図を感じ取って、はじめて「楽譜を読む」ということができます。
その点をどうか忘れないでください。
2.練習を仕切れる
本番に向けた練習指導、これこそが指揮者のもっとも重要な仕事です。
指揮をやったことのない人はよく誤解をします。指揮者の仕事は、損総会当日に指揮を振ることだと。
しかし、それはズレた認識です。
指揮者の役割のそのほとんどは、演奏会までの練習指導にあります。本番までに、自分の音楽を合唱団と共有して、それを音として再現する、これが指揮者の役割なのです。
ですので、指揮者にとって、いかに効率よく、音楽的に、かつ合唱団を飽きさせずに練習を薦められるか、というのは非常に重要なことなのです。
練習のつまらない指揮者は、合唱団に見放されます。
逆に練習の楽しい指揮者には、合唱団はついてきます。
練習が上手くいくかは合唱団にもよるんじゃないの? と思うかもしれませんが、それは違います。本当にできる指揮者なら、どんな合唱団であっても、そのポテンシャルを引き出すことができます。
そして、そのポテンシャルを引き出すのに、プロだのアマだのということは関係ありません。
ですので、合唱団にとって魅力的な練習ができる、というのは指揮者にとって最重要事項。どうやったらそういう練習ができるかは別記事に譲りますが、このとこだけは覚えておいてください。
3.楽典の知識をもつ
1.で言ったことの補足です。
いかに作詞者、作曲者の意図を読み取ることが大事だと言っても、やはり最低限のルールを知っている必要はあります。
まずは音符が読めること。
この部分は3拍子で、こういうリズムだな、みたいな。
続いて調性が分かること。
ここで転調して、○長調から△長調に変わったんだな、みたいな。
音楽記号が分かること。
Andanteは歩くようにって意味だから~、みたいな。etc.
なんて書いてみましたが、正直音楽知識なんて沼みたいなもんです。
一つの学問ですからね、音楽は。
ですので、今自分の目の前にある楽曲、少なくともそこに書かれている音楽上の決まりごとくらいは解読できるようになっていてください。
指揮が振れる
で、最後にこれ。指揮が振れること。
正直な話、音楽に対する情熱があって、それを合唱団に分かりやすく伝える術(=練習)を持っていれば、指揮そのものが上手くなくても何とかなります。
ですが、情熱があって、練習がうまくて、さらに指揮も上手かったら。
それは最強です(笑)
ですので、ぜひ指揮そのものも上手くなっていってください。
まとめ
ということで、指揮者に必要なことをお伝えしました。
まずは情熱。そして、
1.楽譜が読めて
2.練習が仕切れて
3.楽典の知識があって
3.指揮が振れる
たくさんあってなんだか大変そうに見えるかもしれません。
ですが、最初に書いたように、情熱さえあればなんとでもなります。
というか、気づいたらできるようになっています。
それでは、これからぼくと一緒に、指揮法を学んでいきましょう!
(おわり)
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